東日本大震災時の原子力発電所の事故の影響で、放射性物質という見えない脅威に身近にさらされることになった日本。妊婦の方や、小さなお子さんがいらっしゃるお母さんにとっては気がかりな問題ですね。
事故直後、東京都都市部の水道水から微量ながら放射性物質が検出されて以降、「安心して飲める水」を求めてウォーターサーバーを導入する家庭が増加の一途をたどっています。
しかし、ウォーターサーバーの水はどれも本当に安全なのでしょうか。
いくらウォーターサーバーを購入しても、その水自体が安全かどうかまではわかりません。そこで今回はウォーターサーバーに使われる水への放射能の影響の有無について調査いたしました。購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
ウォーターサーバーに使われる水は2種類
ウォーターサーバーのお水は、大きく分けると2種類に分けることができます。一つ目は天然水。二つ目はRO膜処理を施したRO水です。
天然水とは、地下水を原水としており、ミネラル調整のされてないお水のことを指します。
つまり、自然から採水されたお水そのままを、ろ過・沈殿・加熱殺菌によって処理し、飲用できる品質にしたものですね。
対しRO水は、原水を地下水に限定されず、水道水や川の水といったお水も含まれます。原水は特に決まっていませんが、RO膜に通すことであらゆる不純物が除去されています。
天然水、RO水どちらも飲用水としての基準はもちろん満たしていますが、はたして安全面で両者に差はあるのか、以下、さらに詳しく種類別にみていきましょう。
天然水は採水地によっては安全?
天然水は地下深い場所から採水されます。何十年、何百年とかけて地盤が天然のフィルターとなって水をきれいに(ろ過)してくれます。
そのため、少なくとも現在飲んでいる水は、数十年、あるいは数百年前の水ということですね。このことから放射性物質を心配することはないと考えられます。
仮に放射性物質の影響があったとしても出るまでには相当の時間を要するでしょう。
さらに、原発事故のあった土地から採水地の距離が離れていればいるほど、安全性は高くなるといえます。
RO水は安全?
RO水は、逆浸透膜というフィルターを通して生成された水のことを言います。この膜はウィルスや細菌はもちろんのこと、分子レベルでのフィルターとなるため放射性物質すら通さない、とも言われており、やはり安全に配慮された水、ということができるでしょう。
唯一欠点として、RO膜を通してしまうとお水に含まれているミネラルまで除去してしまう事が上げられますが、海洋深層水から抽出したミネラルや、独自ブレンドのミネラルを添加して味わい豊かなRO水もありますので、安全性も味もこだわりたい、という方にもおすすめできます。
定期的に検査を行っているメーカーを選べば安心!
ウォーターサーバーの水が安全であることは確認できました。さらに万全を期すために、メーカーを選ぶときに注意したい点についてまとめてみました。何を基準に選んだらいいかわからない場合はまず以下の3つの注意点をおさえましょう!
<注意点1>採水地を確認しよう
放射能汚染を引き起こすのは原発事故です。なるべく事故現場から離れた、放射性物質が風に乗って飛散する可能性が低い採水地が望ましいといえます。気になる場合は、選ぶ際に採水地が明確に記載されているかどうかをチェックするといいでしょう。
<注意点2>放射能検出結果報告書と検査頻度を確認しよう
ウォーターサーバーのメーカーの公式サイトで「放射能検出結果報告書」が掲載されているかどうかをチェックしましょう。消費者にとってはこの報告書の結果が、放射能検査が厳密に行われているかどうかを確認できる唯一の指標といえます。特に「ヨウ素131」「セシウム134」「セシウム137」の検査結果があるかどうかに注目を。また検査がどこで行われているのかも重要で、その検査頻度も多ければ多いほど安全といえます。
また、自社での検査よりも他社に依頼した検査結果なら、第三者を介入していますのでより信用度が高いといえます。
<注意点3> RO水かどうかを確認しよう
元の水が水道水であっても天然水であっても、前述のRO膜という強力フィルターに通すことで、ほぼ完全に放射性物質を取り除くことができるといわれています。どうしても気になる場合は、RO水を選ぶようにしましょう。
おわりに
天然水を選びたいという方は、採水地が原発事故現場から遠いもの。何よりも安全なお水を飲みたいという方は、RO膜の浄化システムを使ったRO水が、安全性の高いお水ということがわかりました。
しかし、天然水であっても各メーカー、放射性物質の検査を定期的に行っているので、今のところどのメーカーを選んでも放射能の影響は心配ないと思われます。
妊娠中の人や持病がある方などはある程度、安全面に留意する必要があるかもしれませんが、毎日飲むものですから、基本的にはコスト・使い勝手・味・用途によって、どれがあなたのライフスタイルにとってベストであるかを考えて選択することが大事です。